■ 一音一言物申す。(シベリウス編)
一音一言物申すと題しまして・・・・
気軽にクラシック音楽を語らせて下さい。
私のお宝のレコード。
シベリウス ヴァイオリン協奏曲
フルトヴェングラー指揮
ベルリン・フィル
クレーンカップ
1943年2月7日ライブ録音
頻繁に鑑賞するシベリウスのヴァイオリン・コンチェルト。
最初に触れたのはフルトヴェングラーとクーレンカンプ。
レコードで勿論モノラル録音。(1943年)
音質は想像以上に悪かった。
しかしあの神秘的で情熱が沸き上がる演奏。
感動以上の気持ちであった事を覚えています。
ですが10代前半の私に全てを理解するのは難しい。
ですから理解するまでには数年掛かりました。
ヴァイオリン・コンチェルトの最高傑作。
そして難曲でもあります。
しかし、難曲だから最高傑作とは限らない。
メンデルスゾーンなど難曲では無いが傑作である。
聴き手に感銘を与え何回でも演奏し歴史を重ねる。
これが傑作の必須条件なのかもしれません。
シベリウスと言えば愛国心の塊で頑固者なイメージ?
しかし意外と遊び人なのだ。
巨額な借金、女性関係、ワインと葉巻の愛好家。
しかし繊細な感性の持ち主でもある。
ヴァイオリニストを断念するなど人間味を持ち合わせている。
ここで、【一音一言】!!
私の好きな395小節からが決定的な聴き所なのだ。
静動合わせ持ち興奮無しでは考えられない。
技巧的なパッセージが待ち受け、それを越えまた難関と聴き手としては楽しみだ。
405小節Vnがトリルを奏でている時に弦楽器のピッチカートはこれから始まるヴァイオリンとオケの、火花散る駆け引きを予感させる緊張感がたまりません。
440小節のアルペジオは15小節続きフルートが147小節で奏でた旋律がオブリガート的に再現され印象的。
まさにコーダは、ヴァイオリンの技巧とそれに拮抗するオケとの真剣勝負。
聴き手に油断は許されません。
私はこの作品に入り込み真剣勝負に加わる。
台風でも空から槍が降ってきても互いに譲らない勝負なのだ。
一聴あれ!!
2020年12月23日
最終更新日:2020-12-23