私の人生に多大な影響を与えた指揮者。
ドイツの巨匠ヴィルヘルム・フルトヴェングラー。
ナチス政権下のドイツに留まり活動。
祖国を去る芸術家も多い・・・。
しかしドイツの聴衆を捨て去る事は出来なかった。
語りましょう・・・。
Rさん:同じくフルトヴェングラー好き。
店主:ワインとクラシック音楽に造詣が深い。
店主:フルトヴェングラーは第二次世界大戦前中後で違います。
戦後が晩年期ですね。
戦後は難聴にも苦しめられた・・・。
また嫌疑も掛けられ裁判もあった。
疲労が重なっていたと思います。
Rさん:そうですね・・・。
ベートーヴェンの第5番を垂直聴きすると変化がわかる。
シューベルトのグレートも戦中は昂揚感がある。
しかし晩年はそれでも落ち着いている。
店主:彼は時代の響き。
ワインでいうテロワールやヴィンテージを感じます。
ベートーヴェンのコリオラン序曲も分りやすい。
1943年6月のライブ録音。
一瞬の雷鳴の様な響き・・・。
緊張感漂います。
この感覚はやはりホール全体の産物。
これが1943年のドイツなのだと思う。
対して戦後・・・・。
ウィーン・フィルとの録音しか存在していません。
戦後であり・・。
ウィーン・フィル独自の音色という事もあり様相は違う。
あの殺気だった響きを感じません。
1951年10月のライブ録音です。
他に珍しくスタジオ録音も残っています。
1947年11月です。
Rさん:コリオラン序曲は数分の作品。
ですから垂直並行聴きをしやすいね。
音楽は平和な時、そして戦争中と大きく様相を変える。
クラシック音楽はスコアが命。
しかし解釈する視点が変わると随分違うね。
店主:そこがクラシック音楽の楽しみ方です。
2019年1月15日
静岡県 藤枝市 ワイン専門店
最終更新日:2019-01-15