Aさん:ワインとクラシックに造詣が深い教養人。
店主:幼少期からヴァイオリンを習い志す。
愛器は1850年製ニコラ・ヴィヨーム。
百戦錬磨のソムリエ。
店主:私は一度鑑賞すると何度も聴きたくなります。
録画で井上道義指揮N響のベトナム公演。
只今、はまっています。
Aさん:何か理由でもあるの・・・。
店主:彼は確かチェリビダッケから指導を受けています。
何回も聴いていると、表情が柔軟。
指揮のテクニックが極めて高く思います。
Aさん:第一線で何十年も活躍。
熱烈なファンがいますね。
店主:どちらかと言えばファンではありません。
私は井上氏が若い頃は苦手でした。
彼は個性的でしたから・・・・。
Aさん:そうですね。
ですが今は70歳くらい。
その年齢であの熱量は凄い・・・。
一つ一つの指揮に命をかけている。
店主:交響曲の流れ・・・。
楽聖ベートーヴェンのセオリー。
苦難から歓喜へ!!
チャイコフスキーの第4番は正に正統派。
井上氏は第一楽章、苦痛の表現で腕を降ろす。
俳優ではあるまいし凄い演技力・・・。
まじめに見ていると少し面白い。
しかし、あんな風に指揮するのは彼だけ。
意外と的を得ていると感心しています。
Aさん:ピノさん、ワインは何にしたの?
店主:あの演奏には上質なCSにしました。
勿論、私がモノ・セパージュ信奉者という事もあります。
しかしそれ以上に素晴らしいCSだとも言える。
Aさん:わかるその気持ち・・・。
ナパ・ヴァレーのCS100%は旨い。
店主:今回はエミリア・ロマーニャです。
興味が持てますね・・・。
何もランブルスコだけではありません。
Aさん:確かにそうだ。
店主:この州は東西に長い。
ですからアドリア海と内陸部と分かれる。
ミクロで産地を味わうと様々です。
造り手はドレイ・ドナ、そうですサンジョヴェで有名。
サンジョヴェ100%でブルーノを誕生させている。
しかし井上氏にはやはりCSが似合います。
味わいが彼の強烈な個性に対し埋没しない。
それくらいに優れたCSです。
Aさん:では私も実践してみます。
2018年10月26日
静岡県 藤枝市 ワイン専門店
最終更新日:2018-10-26