自宅で頻繁に鑑賞するシベリウスのヴァイオリン協奏曲。
最初に接したのはフルトヴェングラーとクレーンカップ。
LPレコード、勿論モノラル(1943年録音)。
私はまだ10代前半でした。
音質は想像以上に悪かった。
しかし神秘的で情熱溢れる演奏で感動しました。
流石に10代の子供には理解が難しく4、5年経ち理解できるようになった。
この作品はヴァイオリン・コンチェルトの最高傑作。
そして難曲の一つである。
しかし難曲だから傑作とか名曲とは限らない。
シベリウスの先人メンデルスゾーンなど難曲ではないが傑作である。
やはり聴衆に感動を与えソリストに何回でも演奏され歴史を重ねる。
これが傑作の必須条件なのかもしれません。
シベリウスのイメージ。
愛国心の塊で頑固・・・。
実際は人間臭い人物です。
遊び人でだらしない一面。
そして巨額の借金、女性関係、ワインと葉巻のヘビー・ユーザー。
かと思うと、とても繊細でヴァイオリニストの道を断念。
全く人間らしい人物なのです。
ここで【一音一言物申す】
私の好きな395小節からが決定的な聴き所だ。
静動併せ持ち興奮なしでは考えられない。
技巧的なパッセージが待ち受けそれを越える。
するとまた難関、聴き手としては最高の喜び。
405小節Vnのトリルを奏でている時に弦楽器のピッチカート。
これから始まるヴァイオリンとオケの火花散る駆け引きを予感させる。
聴衆は興奮状態である。
440小節のアルペジオは15小節続きフルートが147小節で奏でた旋律がオブリガート的に再現され印象的。
まさにコーダはヴァイオリンの技巧とそれに拮抗するオケとの真剣勝負。
聴衆に油断は許されない。
私はこの作品に入り込み真剣勝負に加わる。
台風でも空から槍が降ってきても互いに譲らない勝負なのだ。
一聴きあれ!!
詳細は【クリック】2017年3月5日
最終更新日:2017-03-05