Aさん:当店常連様ワインとクラシック音楽好き。
店主:若い頃ヴァイオリンを習い志した。通称ピノさん。
Aさん:クラシック音楽の楽しみ方は?
店主:大きなクラシック音楽の流れを知る。
Aさん:バロック、古典、ロマンなどですね。
店主:バロック、古典時代は王侯貴族に使えた。
そして古典派後期にベートーヴェンが芸術として作曲。
交響曲第5番の比類なき完成度はそれを体現。
Aさん:そして他に重要なポイントは?
店主:作曲家の人生やその作品の背景を研究する。
先程のベートーヴェンなら第5番とまるで違う第6番もほぼ同時進行で作曲。
これは、まるで不思議な事ですが天才作曲家によく見られる傾向。
そしてスコアを用意して聴きながら鑑賞。
私はヴァイオリンを弾いているので楽譜を綿密に読めますが、そこまでしなくても流れを追っていけるだけで十分。
今、この楽器だなって・・・。
Aさん:ふむふむ。
店主:そして演奏家の違いを楽しむ。
ワインでも特にブルゴーニュは造り手の違いを楽しみますね。それと同じです。
私はマニアだから同じ作品、同じ指揮者で演奏日が違う録音を収集します。
これもワインの垂直飲みと同じ。
Aさん:ワインとクラシック音楽は西洋文化の極みですから同じ楽しみ方なんですね。
店主:ワインだけ知ってもワインは理解できません。
クラシック音楽などの文化を知らねば・・・・。
Aさん:先程の並行、垂直聴きですが興味があります。
店主:では、ベートーヴェンの第5番。
これがわかりやすいです。
★1947年5月27日のライブ録音でフルトヴェングラー指揮。
そして☆1974年3、4月のスタジオ録音でカルロス・クライバー指揮。
Aさん:私はクライバーを聴いた事があります。
店主:そうですか。今では新鮮さが欠けますが、モダンな息吹を今でも感じます。
一方、フルトヴェングラーは戦争体験から混沌とした第5番。
クライバーは各楽器がはっきりわかりテンポ感が実にいい。
運命の動機も軽やかで心地良いくらい・・・。
フルトヴェングラーは重く、アインザッツも不揃い。それがまた強烈。
しかし、第4楽章のコーダはグイグイ進む。
どちらの演奏が「正」ではありません。
答えはその演奏家の解釈ですからね。
詳細は【クリック】2016年11月1日
最終更新日:2016-11-01