ワイン専門店「ピノ ノワール」から素敵なマリアージュのご紹介です。
☆ ブルックナー 交響曲 第9番 ニ短調
ズービン・メーター指揮:ウィーン・フィル
2009年2月15日(録音)
★ブルックナーの交響曲は、指揮者を選ぶ。
駆け出しの指揮者が無謀にも演奏をするのなら手痛い思いを覚悟しなければなりません。
ある程度キャリアのある指揮者が、「さて私も人生の集大成として挑戦してみよう」と
その人の人生観を作品に反映させられる場合のみ許されるものです。(個人的見解)
特にステージに上がるまでの行動が大切、すこしヨロヨロしながら指揮台に向かい
長時間立ちながらの指揮ができない為に用意された椅子に座りながらの指揮がいい。(笑)
座りながらの指揮
まさに、チェリビダッケ、オイゲン・ヨーフムが連想されます。
極論は、そこまでにして、メーターの指揮も素晴らしかった。
☆カオスから創造されるブルックナーのシンフォニーは、まさに音楽宇宙空間。
演奏時間が長いからであれば、マーラーなど他の作曲家もいますが、
ブルックナーだけが空間なのは他の要素(神秘、精神性)が関係していると思います。
この第9番は、未完成ですがブルックナーの最高傑作。
未完成だからこそ各楽章の輝きが増しそこに美しさやさみしさを感じます。
サイモン・ラトルの4楽章補筆完成版による演奏。
これは賛否両論。イギリス出身のラトルらしく「見よ私のブルックナーを」と言いたげ、
さすがは大英帝国の末裔だ。
世界の物を集め修復し展示するのがお好き、あの唯一の作品も修復し演奏だ。(参った)
しかし、1986年10月11日にブルックナーは亡くなり未完の作品なのである。
いくらスケッチ等が残っていてもあの偉大な曲はブルックナーしか創作できないのだ。
第3楽章、天上のアダージョで終わるから聴衆は涙する。
シューベルトの未完成シンフォニーも未完だからあの作品を知らしめているのである。(自論)
有名、無名に関わらず滋味豊かなブルゴーニュのワインとブルックナーは合う
☆ 2003 ニュイ サン ジョルジュ
ドメーヌ ジェラール・ジュリアン
当店販売価格¥6720(税込み)
71歳の経験豊かな翁が創作するブルゴーニュは芸術の域に達しています。
単にワインと言いますが、量産品からおいしいワインそしてそれらを超越した偉大なワイン。
偉大なワインの中でも芸術の域に達したワインもある。
ジェラール・ジュリアンは2009年に引退しそのスピリッツは息子にしっかりと受け継がれています。
03年、約9年経過した今でも記憶に残る猛暑。
フランスではその猛暑で亡くなった方もいたと記憶しています。
しかも降雨が少なくブドウは非常に良く熟した年でもある。
ですから、造り手の観察眼、細やかな対応が求められました。
71歳の翁はその豊かな経験から収穫のタイミングを判断し結果、素晴らしいワインとなった。
果実の存在感、そして放たれる香りは群を抜いています。
偉大なワインの誕生だ。
偉大なワインは、何もグラン・クリュ、プルミエ・クリュの独壇場ではない。
単なる村名であっても素晴らしいワインはあるのだ。
NSGにグラン・クリュは存在しない。
フレデリック・ミュニエのプルミエ・クリュ クロ・ド・ラ・マレシャルも素晴らしい。
メオ・カミュゼのプルミエ・クリュ オー・ミュルジェも私は好きだ。
でもこの71歳の翁が紡いだ単なる村名NSGも同じく素晴らしいのだ。
素晴らしいブルックナーの作品と翁の深いブルゴーニュを味わうのは有意義なひと時だな。
そして、
プルミエ・クリュ レ サン ジョルジュがグラン・クリュに昇格する事を期待したい。
しかし値段もGCとなると上昇するので複雑ですが・・・・。
2014年3月9日