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人格者ワルターのマーラー

人格者ワルターのマーラー

波乱万丈な人生を送ったからこそ歌う演奏。
ブルーノ・ワルターは才能豊かな音楽家でしたがユダヤ人としての苦悩があった人物。
マーラーにもその才能を認められた音楽センス。
フルトヴェングラーとベルリン・フィルの首席指揮者を争った経緯を持つ程の人気。
しかし、ナチスからの激しい迫害を逃れアメリカへ亡命。
しかも全財産を没収され・・・・。
その直後に最愛の娘が夫により殺害された。
このような人生だからこそモーツァルトであれブラームスであれ歌い上げる。

★ マーラー
  交響曲第1番ニ長調

  ブルーノ・ワルター 指揮
  コロンンビア交響楽団

 1961年 録音

マーラーと師弟関係のワルター。
そして同じユダヤ人としてこの作品を深く理解している。
ですが、さすがに古い解釈となり色褪せた感じはあります。
贅沢にもコロンビア交響楽団はワルターのために結成された。
NBC交響楽団もトスカニーニの為に結成された。
NBC交響楽団は手兵という言葉が似合う。
トスカニーニにより徹底的に鍛え上げられたからだ。
しかし、コロンビア交響楽団はワルターの手兵か?
その言葉は似合わない。
ワルターは人物的にも温厚でそれが演奏に現れている。

普段、仕事や人間関係で心が疲れたらヒューマニスト・ワルターの演奏は癒される。

2014年5月10日