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チェロの貴公子ピエール・フルニエ

チェロの貴公子ピエール・フルニエ

チェリストにおいてカザルスの地位は揺るがない。
しかしパリ生まれの貴公子ピエール・フルニエを忘れてはいけない。
フランス人に多い名前ピエールからもこの貴公子がエスプリの効いたチェリストだとわかるだろう。
人類の傑作でもあるバッハの「無伴奏チェロ組曲全集」を彼は全部で4回録音した。
神経の行き届いた演奏は1960年の録音で彼らしい表現を楽しめる。
しかし1972年に来日した際の録音は彼自信が曲の解説をし、一つの集大成である。
ワイン用語でいう、垂直聴きを楽しみ年齢による加齢というより経験から解釈はとても変わるのだ。

若い諸君に言いたい!!
感性豊かなときにバッハの無伴奏を聴け。
これからの人生の良き模範となるだろう。
これからの人生へ豊かな財産となるだろう。
約300年前の極く限られた地域で音楽活動をしていたヨハン・ゼバスティアン・バッハも、
現代の我々と全く変わらぬ気持ちであることがわかる。
そこは素晴らしいし感動すら覚える。
ワインの販売も店主の感性が大きく左右する。
細かなニュアンスを的確に捉え判断する。
この感性も、思春期に素晴らしい音楽と出会っていたからだと痛切に感じます。